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福岡地方裁判所 昭和53年(ワ)1739号 判決 1979年9月17日

原告 甲野松男

原告 乙山竹男

原告ら訴訟代理人弁護士 小泉幸雄

同 小島肇

右小泉訴訟復代理人弁護士 本多俊之

同 内田省司

被告 豊永芳次

右訴訟代理人弁護士 坂本佑介

被告 丙川梅男

参加人 大成火災海上保険株式会社

右訴訟代理人弁護士 赤坂軍治

主文

1  原告らの被告らに対する請求をいずれも棄却する。

2  参加人と原告らとの間において、昭和五〇年一月九日午後七時ころ被告丙川運転の自動車(六六福岡○××××号)が原告乙山運転の自動車(八福岡○××××号)に追突した交通事故について、被告らの原告らに対する損害賠償債務が存在しないことを確認する。

3  参加人と被告らとの間において、右交通事故について、参加人の被告らに対する保険金債務が存在しないことを確認する。

4  訴訟費用は原告らの負担とする。

事実

第一当事者の求めた裁判

一  原告らの請求の趣旨

1  被告らは連帯して、原告甲野に対し金二八〇万六七四〇円、原告乙山に対し金二三三万四八四六円及びこれらに対する昭和五〇年一月一〇日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。

2  訴訟費用は被告らの負担とする。

3  仮執行宣言。

二  原告らの請求の趣旨に対する答弁

(被告ら)

1 原告らの請求をいずれも棄却する。

2 訴訟費用は原告らの負担とする。

三  参加人の請求の趣旨

1  主文第2第3項と同旨。

2  訴訟費用は原告ら及び被告らの負担とする。

四  参加人の請求の趣旨に対する答弁

(原告ら)

1 参加人の原告らに対する請求を棄却する。

2 訴訟費用は参加人の負担とする。

(被告豊永)

本件交通事故が不存在の場合は、参加人の請求を認諾する。

(被告丙川)

1 参加人の被告丙川に対する請求を棄却する。

2 訴訟費用は参加人の負担とする。

第二当事者の主張

一  本訴事件について

1  請求原因

(一) 事故の発生

昭和五〇年一月九日午後七時ころ、福岡市中央区六本松一丁目一番一号先の道路上で、被告丙川運転の軽四輪貨物自動車(六六福岡○××××号、以下「加害車両」という。)が原告乙山運転、原告甲野同乗の軽四輪乗用自動車(八福岡○××××号、以下「被害車両」という。)に追突し、原告乙山が加療一八七日間(うち入院一四七日間)を要する頸椎捻挫、腰椎捻挫、脳脊髄振盪症の傷害を、原告甲野が加療一七七日間(うち入院一〇三日間)を要する頸椎捻挫、腰椎捻挫、脳脊髄振盪症、右肩打撲、左肘打撲の傷害を負った。

(二) 責任原因

被告らは、それぞれ次の事由により、右事故によって生じた原告らの損害を賠償する責任がある。

(1) 被告豊永は、加害車両を所有し、自己のために運行の用に供していたから、自賠法三条による責任。

(2) 被告丙川は、右事故の発生について前方不注視の過失があったから、不法行為者として民法七〇九条による責任。

(三) 損害

(1) 原告甲野の損害 二八〇万六七四〇円

(イ) 休業損害 四五万六六六〇円

平均日収二五八〇円の一七七日分。

(ロ) 慰謝料 五六万六四〇〇円

(ハ) 入院雑費 三万八四〇〇円

(ニ) コルセット代 一万二三〇〇円

(ホ) 通院交通費 七二〇〇円

(ヘ) 治療費 二二七万五七八〇円

(ト) 損害の填補 八〇万円

(チ) 弁護士費用 二五万円

(2) 原告乙山の損害 二三三万四八四六円

(イ) 休業損害 五五万五三九六円

平均日収二九八六円の一八六日分。

(ロ) 慰謝料 五六万九六〇〇円

(ハ) 入院雑費 二万九六〇〇円

(ニ) 通院交通費 七八七〇円

(ホ) マッサージ代 三万一五〇〇円

(ヘ) 治療費 一七八万〇八八〇円

(ト) 損害の填補 八五万円

(チ) 弁護士費用 二一万円

(四) 結論

以上の理由により、損害賠償の履行として、被告ら各自に対し、原告甲野は金二八〇万六七四〇円、原告乙山は二三三万四八四六円及びこれらに対する事故発生の日の翌日である昭和五〇年一月一〇日から支払済みまで民法所定の年五分の割合による遅延損害金の支払を求める。

2  請求原因に対する認否

(被告豊永)

請求原因(一)の事実は不知。

同(二)の(1)の事実は否認する。

被告豊永は、被告丙川が加害車両を購入するに際し、車庫証明の関係で同被告に名義を貸与したにすぎず、加害車両の運行について何らの利益を受けていないばかりか、これを支配すべき立場にもなかった。

同(三)のうち(1)の(ト)及び(2)の(ト)の事実は認めるが、その余の事実は争う。

(被告丙川)

請求原因(一)の事実のうち治療期間の点は争うが、その余は認める。

同(二)の(2)の事実は認める。

同(三)の事実は不知。

3  抗弁(被告豊永)

本件事故は、原告らと被告丙川とが話合いのうえ故意に作出したものであって、その根拠についての主張は、参加人の主張の(イ)、(ロ)、(ハ)と同一であるから、これを援用する。

よって、被告豊永は原告らに対し、本件事故について何らの責任も負わない。

4  抗弁に対する認否

否認する。

二  参加事件について

1  請求原因

(一) 参加人は、被告豊永との間に、本件加害車両について次の自動車保険契約を締結した。

保険証券番号 五九四六二三九

記名被保険者 被告豊永

保険期間 昭和四八年七月九日から一年間

保険の内容 対人賠償保険二〇〇〇万円

対物賠償保険 一〇〇万円

よって、参加人は、被告豊永の関係では、保険証券記載の記名被保険者として、被告丙川の関係では、記名被保険者又はその承諾を得て加害車両を使用又は管理中の許諾被保険者として、被告らが本件事故により損害賠償責任を負担することによって被る損害を填補すべき立場にある。

(二) しかしながら、次の理由により、被告らの原告らに対する損害賠償債務は存在せず、かつ、参加人の被告らに対する保険金債務も存在しない。

(1) 本件事故は、実際には発生していない。

(2) 仮にそうでないとするならば、本件事故は、次のとおり、原告らと被告丙川とが話合いのうえ故意に作出したものである。

よって、被告らは、本件事故による原告らの損害について、民法七〇九条による不法行為責任も自賠法三条による運行供用者責任も負わない。

(イ) 本件事故現場は、六本松交差点を経て護国神社の周囲を半周する道路と、草ヶ江方面から警固方面に至る道路とが交差する交差点の手前にある一時停止線から約四メートル手前の地点であり、前者の道路を別府橋方面から事故現場に至るには、その直前に約一二〇度の急カーブを左折する必要があり、その曲り角から衝突地点までの距離は約二五メートルである。

以上のような状況のもとにおいて、被告丙川は、時速三〇ないし四〇キロメートルで進行中、「床に落ちた煙草を取ろうとして」前方注視義務を怠ったと弁解しているが、急カーブを左折し、ハンドルを元に戻し、煙草を拾い、次いで急ブレーキをかける(実況見分調書の添付図面である甲第九号証の五によると、加害車両のスリップ痕が両車輪とも二・四メートル残っている。)という一連の動作をわずか二五メートル程度の距離内で行うことは、経験的に不可能である。例えば、ハンドルを元に戻すまでに少なくとも一〇メートルは進行するであろうから、仮に煙草を拾うのに要する時間を二秒とすると、時速三〇キロメートルの場合でも、その間に約一七メートル進行する計算になり、既に衝突地点に到達していることになって、右スリップ痕の存在と矛盾する。

前掲甲第九号証の五における被告丙川の説明によると、煙草を拾う間の走行距離は四・三〇メートルというのであるが、〇・五秒以内という短時間に床に落ちた煙草を拾うのは、不可能である。

(ロ) 被告丙川の司法警察員に対する昭和五〇年一月一〇日付供述調書によると、追突直後、「私はすぐ車から降りますと、前の車から二人男の人が降りてきたので、住所、氏名等をきいているとき、具合が悪いと言われたので、病院に行って貫うよう頼み、タクシーで二人は行かれました。」とあり、原告らと被告丙川とは全然知らない間柄ということになっている。

しかしながら、右は、事実に反し

(a) 原告乙山は、後記交通事故の賠償問題に被告丙川の代理人又は立会人として介入し、日産火災海上保険株式会社から保険金を受領し、被告丙川から多額の謝礼を受取った事実があり、また、被告丙川は、本件事故現場近くに所在する原告乙山の自宅に本件事故前から出入りしていた事実もある。

(b) 原告甲野は、昭和四九年七月初旬、被告丙川が本件加害車両について参加人と保険契約を締結するについて、萩尾代理店に同被告を紹介した事実がある。

(ハ) 被告丙川は、昭和四九年一月二九日午後七時二〇分ころ、福岡市西区長尾一丁目一番五号先の交差点で、普通乗用自動車を運転中、訴外坂井泰博運転の普通貨物自動車(福岡四四な五一九一号)に追突されたことがあるが、右事故における訴外坂井の過失の態様は、本件事故における被告丙川の弁解と同じく、足元に落ちた煙草を拾うのに気を取られて前方注視を怠ったというものであり、その他本件事故と対比すると、発生の時刻、負傷の程度等あらゆる点で両者は酷似している。

(ニ) その他、参加会社の係員が加害車両の損傷程度を調査に赴いたところ、被告丙川は、その都度、右車両の所在を明らかにせず、調査に協力しなかったこと、傷害保険として、少なくとも、原告甲野は、大同生命保険、協栄生命保険、大成火災海上保険、福岡市民災害保険、興亜火災保険に、原告乙山は、興亜火災保険、大成火災海上保険、三井生命保険、市役所の共済組合、郵政省簡易保険に、それぞれ加入しており、本件事故に関して多額の保険金を受領していること、原告らの主張する傷害は、いずれも他覚的には異常がなく、専ら愁訴による入通院であるのみならず、原告らは、入院中、外泊したり、外部との電話連絡を一月は一〇八回、二月は一三六回、三月は六三回もしていることなど本件事故が故意に作出されたものであることを疑わしめる状況が多数存在する。

(3) 仮に被告らが原告らに対し損害賠償責任を負うとしても、本件事故は、被告丙川の故意によるものであるから、参加人は、自動車保険普通保険約款第二章第四条一項一号又は二号により、被告らに対する保険金の支払を免責される。

2  請求原因に対する認否

(原告ら)

請求原因(一)の事実は不知。

同(二)の(1)、(2)の事実はいずれも争う。

(被告豊永)

請求原因(一)の事実は認める。

同(二)の(1)の事実は不知。(2)の(イ)、(ロ)、(ハ)の事実は認める。

(被告丙川)

請求原因(一)の事実は争う。

同(二)の(1)、(2)の事実は争う。

第三証拠《省略》

理由

一  《証拠省略》によると、原告らが本訴事件の請求原因(一)で主張する交通事故(傷害の点を除く。)は、現に発生したことが認められる。

そして、《証拠省略》によると、被告丙川は、加害車両を購入するに際し、車庫証明を実弟である被告豊永名義で取得する必要から、同被告の承諾を得て、右売買から強制保険及び参加人との間の自動車保険(その内容は、参加人主張の請求原因(一)記載のとおりである。)に至る契約のすべてを同被告名義で締結したことが認められる。

そうすると、参加人は、自動車保険普通保険約款第二章第二条、第三条の(1)、(3)により、本件交通事故について、被告豊永が自賠法三条による損害賠償責任を負うべきときは、同被告を保険証券記載の記名被保険者として、被告丙川が自賠法三条又は民法七〇九条による損害賠償責任を負うべきときは、同被告を記名被保険者又はその承諾を得て加害車両を使用又は管理中の許諾被保険者として、特段の事情がない限り、被告らが右損害賠償責任を負担することによって被る損害を填補すべき立場にある、といわなければならない。

二  そこで、被告豊永と参加人の、本件事故は不慮の事故ではない、との主張について判断する。

1  右主張事実を認めるに足りる直接の証拠はない。

2  しかしながら、次の情況証拠から、本件事故は、右主張のとおり、不慮の事故ではないと推認するのが相当である。

(一)(1)  《証拠省略》によると、原告らと被告丙川の三者は、本件事故前からの知合いであり、被告丙川は、昭和四九年一月二九日後記の交通事故にあった際、当時保険代理店を営んでいた原告乙山に対し、右事故による保険金請求手続を委任した事実があるばかりでなく、同原告の自宅に出入りするほどの付合いをしていたこと、また被告豊永名義の前記自動車保険契約は、昭和四九年七月初旬、原告甲野が被告丙川を参加人の保険代理店に紹介した結果、締結されたものであることが認められる。

ところが、《証拠省略》によると、被告丙川は、本件事故の取調べを受けるにあたり、警察官に対し、原告らと知合いであることを終始黙していたばかりか、事故直後の状況について、「私はすぐ車から降りますと、前の車から二人男の人が降りてきたので、住所氏名等をきいているとき、具合が悪いと言われたので、病院に行って貰うよう頼み、タクシーで二人は行かれました。」と供述し、原告らと面識があることをむしろ積極的に隠そうとした経緯があり、参加人による保険サイドの調査に対しても、係員から追及されるまで、原告らとは面識がない風を装っていたことが認められる。他方、《証拠省略》によると、原告らも、取調べの警察官に対し、被告丙川とは面識がない風を終始装い、参加人による調査に対しても、当初は同様の態度をとっていたことが認められ(る。)《証拠判断省略》

(2) 《証拠省略》によると、被告丙川は、昭和四九年一月二九日午後七時二〇分ころ、普通乗用自動車を運転中、福岡市西区長尾一丁目一番五号先の交差点で一時停止していたところ、後ろから来た訴外坂井泰博運転の普通貨物自動車に追突されたが、右事故において、訴外坂井は、前方注視義務を怠ったことの弁解として、時速約三五キロメートルで進行中、「足元に落したタバコを拾うのに気を取られた」と供述しており、被告丙川は、そのことを知っていたことが認められる。しかして、《証拠省略》によると、本件事故における被告丙川の弁解も、右と全く同一であり、時速約三〇キロメートルで進行中、「煙草が床に落ちていたので、それを拾」おうとして前方注視を怠ったというのである。

ところで、《証拠省略》によると、本件事故現場は、護国神社の南側を走るA道路と北側を走るB道路とが右神社の東方で合流する交差点にある、A道路からB道路に至る連絡路の北端であり、被害車両が、A道路から右連絡路に進入し、B道路に進出するため、その手前にある一時停止線にそって停止したところ、後ろから追従して来た加害車両が、右停止直後にこれに追突したものであり、路面には、加害車両のスリップ痕が約二・四メートル残存していたこと、右連絡路は、幅員約一一・七メートルの一方通行路であるが、交通量は少なく、A道路からこれに進入するためには、約一二〇度の急カーブを左折する必要があり、曲り角から右一時停止線まで三〇メートル弱しかないことが認められる。そして、被告丙川本人は、この付近の地理に明るく、右一時停止線の手前で停止しなければならないことは承知しており、かつ、一時停止するつもりであった、というのである。

(3) 《証拠省略》によると、本件事故当時、原告甲野は、保険外務員として稼働し、原告乙山は、保険代理店を営んでいたものであるが、ともに、各種の傷害保険に加入し、本件事故について相当多額の保険金を受領したことが認められ、また、《証拠省略》によると、原告乙山は、かつてタクシーの運転手をしていたものであるが、その当時の同僚で、かつ、同原告の仲介で各種の損害保険に加入した数名の者が、共謀して故意に交通事故を発生させ、これを偶然の事故のように装って、保険会社から保険金を騙取した詐欺事件を起し、刑事責任を問われたことが認められる。

(二)  以上のように、原告らと被告丙川は、本件事故前からの知合いであるが、交通事故の当事者がたまたま知人同志であった場合、そのことによって双方の立場がより一層悪くなるという事態は、通常考えられないから、事故の当事者としては、偶然の巡合せをことさら隠すようなことはしないものであろう。しかるに、本件事故の当事者である原告らと被告丙川は、そろって相互の関係を隠そうとしており、右は、経験則に反する極めて不審な行動といわざるを得ない。

加うるに、被告丙川の事故態様に関する弁明には、疑問な点が少なくない。すなわち、被告丙川が煙草を拾い上げる間の加害車両の走行距離は、同被告の説明によると、わずか四・三メートル(前掲甲第九号証の五)であり、前記の時速を前提とすると、時間にして約〇・五秒にすぎないが、これは、いかに迅速に行動したとしても、前方から目を足元に転じ、煙草の所在を確め、これを拾い上げて、再び前方注視に戻るまでの時間としては、明らかに短きに過ぎる。ちなみに、被告丙川が被害者の前記事故における坂井車の当該走行距離は、一七・八メートルであり、時間にして二秒近くかかっている計算になる。そしていずれにしろ、本件連絡路の全長を仮に三〇メートルとして計算すると、加害車両の長さが二・九九メートルであり《証拠省略》、スリップ痕が二・四メートルであるから、空走距離を仮に六メートルとして、被告丙川は、約一八・六メートル(時間にして約二・三秒)の間に、急カーブを曲りきって直進の態勢に入ることから煙草を拾い上げて再び前方に目を向けるまでのすべての動作を完了しなければならないことになるが、右は、自然な行為としては不可能に近いのではなかろうか。それに、間もなく一時停止するという矢先に、先行車のあることがわかっていながら、何故下を向いて煙草を拾うような危険を敢て犯さなければならないのか理解に苦しむ。本件連絡路は、幅員の広いわりに交通量が少ない通路であり、停止時間が多少長くなっても、交通の妨げになる心配は全くないのであるから、煙草を拾うなどということは、一時停止の機会に処理すれば済むことであり、右のような情況のもとにおいては、そうするのが、自動車運転者の自然な行動というべきであろう。

このように、被告丙川の弁明は、不自然、不合理であり、特に煙草の点は、別件の事故にヒントを得た虚偽の弁解である疑が強いが、以上の諸事情のほか、原告らは、交通事故による被害に対し十分な対策を講じており、事故の発生により利を得る可能性のある立場にあるなどそれなりの動機があることも否定できないことなどの諸事情を総合すると、本件事故は、原告らと被告丙川が予め打合せのうえ故意に惹起した事故と推認せざるを得ない。

3  そうだとすると、本件交通事故により原告らが傷害を負ったとしても、右損害は、自己に存する不法の原因によって生じたものであり、民法七〇八条の法の精神に鑑み、敢て保護するに値しないものといわなければならない。

よって、原告らの被告らに対する損害賠償の請求は、その余を判断するまでもなく失当であり、本件事故について、被告らは原告らに対し、損害賠償義務を負わないことが明らかであり、従って、参加人が被告らに対し保険金を支払うべき義務も発生しないことが明白である。

三  以上のとおりであって、原告らの被告らに対する本訴請求はその余を判断するまでもなく失当であるから、これを棄却し、参加人の参加請求は、いずれも理由があるから、これを認容する。

よって、訴訟費用の負担について民訴法八九条、九三条を適用して、主文のとおり判決する。

(裁判官 小長光馨一)

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